インディアンジュエリーについて
ネイティブアメリカンが儀式や個人の物として使っていたターコイズが、ジュエリーの形となり、ネイティブアメリカン以外の人々の間で売り買いがされるようになったのはここ100年ほどの事です。

アメリカ南西部で初めて銀を使ったのはナバホ族と言われており、 1853年頃メキシコ人の鍛冶屋がナバホのアツィディ・サニと言う男に銀の使い方を教えた事から始まりで、手作りの道具で金属に模様を刻印するスタンプワークや、シルバーに装飾を施す技術を身につけました。

ここでは当店で取り扱っております各部族についてご紹介していきたいと思います。


ナバホ
ナバホ族 銀細工を始めに行ったとされているネイティブアメリカンで、アメリカ大陸に残る最大の部族です。ターコイズ、コーラル(珊瑚)、オニキスなどをあしらった大胆なデザインが特徴で、近年ではコンテンポラリーの作品もよく見かけるようになってきました。世界的に著名なアーティストも数多く現在でも存在し、毎年ニューメキシコ州のサンタフェで開催されるインディアンマーケットのイベントで数多くの賞にも輝いております。
銀細工の技術が伝わり、石とシルバーをつなぎ合わせるためのハンダづけの技術が身についてくると、更に複雑なジュエリーが盛んになっていき、ホピ族が開発したオーバーレイの技術を取り入れるなど他の部族が使用する技術を積極的に取れいれています!
その他にナバホラグ・サンドペイントなど工芸品も有名です。


ホピ
ホピ族 アリゾナ州・ニューメキシコ州からメキシコにかけて先史時代より居住するネイティブアメリカンで、アメリカ大陸の最古の住民と言い伝えられています。特にバスケットやカチナがホピ族にとって伝統工芸品だったのですが、19世紀後半にズニ族よりシルバーを用いたジュエリー作りが伝来すると、薄い上側の銀板を糸鋸で様々な模様にカッティングし、下地の黒い銀板に覆うことによって模様を浮き立たせるという非常に高度な技法『オーバーレイ』を1930年頃にホピ族のポール・スフキーが発案し完成させたことでも有名です。
ホピ族は農耕部族であったため、自然への崇拝心が高く、 その自然への崇拝心から生まれたモチーフをよく使用し、サンフェイス(太陽)・タートル(亀)・ベアー(熊)・ココペリ(精霊)などが代表的なモチーフです。


ズニ
ズニ族 ニューメキシコ州のプエブロ民族。銀細工の技術が入り込む前から、身近にある石・木などを動物の形にした『フェティッシュ』などを作っていたとされています。また、旅のお守りとして古くから愛されてきたのです。
ジュエリーで有名な技法はニードルポイント・クラスター・インレイ技法を使用したカラフルなデザインが特徴です。ニードルポイイントとはターコイズ、コーラルなどを細かくカットし、花びら状にセットする方法で、インレイは石をカットし、シルバーの台座にはめ込んで図柄を完成させるとても繊細な技法です。
他の部族に比べ色目も多く、そのカラーセンスは世界中からの評価も非常に高く、ジュエリーというより、もはや芸術作品とも言えます。


イスレタ
イスレタ族 スペイン語で『小さい島』という意味を持つイスレタ族。
イーグルフェザーをモチーフとし、ターコイズなどの石を組み合わせたジュエリーも人気があります。有名なアーティストは『マイケル・カーク』、『アンソニー・ゲートウッド』などがイスレタ族を代表するアーティストです。
ジュエリーを制作しているアーティストはほとんどいなく、ポッタリー(壷)など工芸品などがメインとなります。


サントドミンゴ
サントドミンゴ族 定住型農耕部族でプエブロ諸族の中でも特に伝統的な生活様式を重んじている部族。今もリオグランデ川に沿った地域に伝統的なライフスタイルを守りながら暮らしています。
昔からジュエリー作りを得意としていた部族であり、彼らが作るジュエリーにはシルバーをほとんど使用していません。 ターコイズや貝殻をひし形や筒型、丸型などの一定の形にカッティングした『ヒシ』、その『ヒシ』を繋げて作る技法がメインです。カットの仕方、石のカラー一つで作品の印象が決まってしまうため、カッティング技術は非常に繊細です。 また、ナバホ族から大きな影響を受けていたため、ナバホ族の作るジュエリーのデザインを取り入れたものも少なくありません。


タオス
タオス族 大自然を望む山並み、世界遺産に登録されている集落で有名なタオス・プエブロ。16世紀前半、タオスの地にメキシコからスペイン人がやってき、彼らは、夕日に照り映された集落を見て、伝説の「黄金都市」をついに発見したと思い込んでいたそうです。ドラムやモカシンで有名ですが、タオス・モカシンは廃業してしまいました。もちろんジュエリーも制作しており、日本の雑誌でも紹介されているソニー・スプルースなど有名です。