ここではインディアンジュエリーに使用されています技法についてご紹介させていただきます。 部族に応じて異なる技法はインディアンジュエリーの最大の魅力の一つでもあります。 普段何気なく着けているジュエリー、実はこの技法が使われているなど・・・ 知れば知るほどインディアンジュエリーが楽しくなるかと思います。 現在では他の部族の技法を積極的に取り入れているアーティストも少なくありません。 高度な技術と時間を要し、技法を施す際には、制作するアーティストの個性や技が現れるという点が共通しています。 |
スタンプワークはナバホ族が得意とする技法で、1880年~90年代に発展しブレスレット・コンチョ・バックルなどの表面に、ハンマーでたがねを打ちつけ、銀の表面にデザインを施していきます。 スタンプ自体も各アーティストのオリジナルで、自動車のボルトを熱して先端に模様を刻みつけるなどして、さまざまなデザインを制作します。 スタンプワークで有名なアーティストはトーマス・カーティス、サンシャイン・ゲーリー・リーブスなどなど・・・ |
キャストはナバホ族が得意とする技法で、砂で型を作るサンドキャストや、石の型トゥファーキャストがあります。型の素材によって表面にざらつきが出たり、さまざまな質感が楽しめるのが特徴です。 流し込む際の銀の溶け具合を見極めるタイミングが難しく、非常に手間と技術力を要求される技法の一つです。 キャストで有名なアーティストはアーロン・アンダーソン、ウィルフォード・ヘンリーなどが代表的です。 |
『オーバーレイ』という技法は1930年頃にホピ族のローレンス・スフキーの父親ポール・スフキーが発案し完成させました。 2枚のシルバー・プレートを重ね、上のシートにデザインを描いてジュエリー用ののこぎりで切り抜き、下のシートに刻み目(テクスチャー)と呼ばれる模様を彫り、そして酸化させることで模様が黒く浮き上がるようになっています。ホピ族以外にナバホ族のアーティストたちも使用する技法で、特にスティーブン・J・ビゲイ、レオナルド・ネズなどが有名です。 |
シルバーで仕切りの枠を作り、そこへ様々なカッティングを施した石をはめ込んで図柄を完成させる技法『チャンネル・インレイ』はズニ族が得意とする技法です。 1890年頃からズニ族が発展させてきて技法で、忍耐強いとされているズニ族は、精密な石の細工を得意としています。 その他に表面を平らに仕上げる『フラット・インレイ』、ターコイズ・コーラルなどを細かく砕いた『チップ・インレイ』があります。 |
ターコイズ・コーラルなどの石や貝殻を針のように細くカットして花びらのようにアレンジする技法を、『ニードルポイント』、大きくカットした物を『クラスター』と言います。ズニ族が得意として用いる技法ですが、ナバホ族が制作したものもあります。 |